太陽の街 『ミルサント』 に降り立った主人公。
一見、普通の青年にしか見えない彼には、ふたつの普通でない点があった。
――ひとつ。
彼には、記憶がなかった。
何故そこにいるのか、自分が誰なのか、彼自身にもわからなかった。
――ふたつ。
彼の腕の中には幼子(おさなご)がいた。
しかも、彼はその幼子と決して切れない紐で繋がっていた。
そして、彼の降り立った街にも、ほどなくして異常事態が起きる。
ミルサントを治める6人の女性神官 “六花”。
彼女たちの力の源である “六大樹” が、一斉に闇に包まれてしまったのだ。
何もかもが普通でない状況の中、まるで運命に吸い寄せられるように
彼は一人の少女と出会う。
少女の名は、フレアルージュ=リリエンソール。
太陽神のお側役と最高神官を兼ねる “六花” の一人。
彼女との出会いが、世界に光を取り戻すための旅の始まりであることを
彼はまだ、知らない。